「カリスマ性が無くても、自分には自分の『やり方』がある」【wakaba.代表:藤原 周大】

こんにちは。
播磨の魅力を発信するメディア「palette」のライター、ロペスです。

学生時代、「人を見る目」を鍛えるために、仲間内でしていた遊びがあります。学生団体や部活動、サークルなどの合同交流会で「誰がリーダーか」を当てるというゲーム。立ち位置や表情、身の回りのメンバーの振る舞い方から予想して、おそらくこの人だろうと目星をつけ、答え合わせをする。

当時のリーダーと言えば、そのほとんどがカリスマ性を持ち、人の中心にいて、その場の「熱源」になっているような人たちでした。ですから30分も場を見ていれば、だいたい当てることができたものです。

ただ、その中で「当てにくいタイプ」がいました。

適切な表現かどうかわかりませんが、稀にオーラを出さないリーダーっているんです。代表感がなく、風景に溶け込んでいるようなリーダーが。カリスマ性があるわけではなく、「熱源」となり得る熱量が全面に出ているわけでもない。それでも、たしかに人を惹きつける「引力」のようなものを持っている。

今回インタビューさせていただいた相手もそう。不思議な「引力」を持った若者です。彼がTwitterで「野外音楽フェスをやりたい!」と仲間募集の投稿をした際、同級生や後輩はもちろん、地域内外のたくさんの方々から連絡が寄せられました。

その後、集まった仲間たちと共に「wakaba.」という団体を創設するまでに。現在9名からなるメンバーで、野外音楽フェスの実現に向けて動き出しています。

一体人は何を見て、何を感じて彼に集まってきたんだろう。彼の「引力」はどこから来るものなのだろう。

加古川ライター、ロペスの若者インタビュー。今回は走り始めた若い地域プレイヤー、しゅーたの不思議な「引力」を紐解くため、彼の「これまで」と「これから」について話を聞きました。

藤原 周大

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加古川市在住、平成11年生まれの18歳。呼び名は「しゅーた」。志方西小学校、志方中学校を経て加古川東高等学校へ進学。高校では軽音部に所属し、楽器はベースを担当。その傍ら生徒会活動にも参加しており、文化部長会で文化部発表会、通称「文発(ブンパツ)」実行メンバーの代表を務める。現在は岡山大学に通い、小学校教育を中心に教育学を学んでいる。今年5月には播磨を盛り上げる若者の団体「wakaba.」(わかば)を立ち上げ、代表としても活動中。

「wakaba.」(わかば)

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チームメンバーは全員学生。「若者が活躍できる環境をつくり、活動を通して未来に期待を持てるよう支援する」ことを目的に創設された若者の団体。来年初旬には若者の活躍する姿を地域に発信し、多世代間の交流を促すことを目的とした野外音楽フェス「wakaba.Fes in 播磨」を実施予定。その後も若者の活躍の場として「wakaba.」を活用してもらうべく、任意団体としての登録を目指して活動している。

「wakaba.」
Twitter
・HP(準備中)

流れに身を任せるまま

ロペス:じゃあ今日はよろしくお願いします!そんなガチガチじゃなくてええんやで(笑)

しゅーた:はい(笑)よろしくお願いします。

ロペス:音楽をしているって話だったけど、軽音部に入ったのは高校生から?

しゅーた:はい。中学校のときに一度友達からバンドに誘われて、その時にネットで2万円ほどのベースセットみたいなものを買いました。当時はあまり触る機会が無かったのですが、高校で軽音部に入ってから本格的にやり始めました。

ロペス:軽音部に入ろうと思ったきっかけというか、音楽を始めようと思ったのはなぜ?好きなアーティストとかがいたの?

しゅーた:いや、音楽は全然聞かなかったですね。中学3年生の受験期に少し聞き始めたくらい。その時は「KANA-BOON」にハマっていました。ただそれがきっかけというよりは、中学のときに買ったベースセットがあるから音楽やるかーって感じでした。

ロペス:なるほど。大きな何かがあったのではなく、ふとしたきっかけで始めたんやね。ちなみに数ある楽器の中でなぜベースを選んだの?

しゅーた: それも友達から「ベースやろう」って誘われたから、です。当時は本当に流されるままで、自分の意志は特に気にしていませんでした。周りがみんなそう言っているなら、そうしようかな、みたいな(笑)

ロペス:そうなんだ!?意外……。「若者の活躍できる環境をつくりたい!」ってアツい想いで「wakaba.」を立ち上げた人だから、昔からアクティブでやりたいことをハッキリ持って行動する人なのかなって思っていたけど……。

開けた世界

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「wakaba.」の会議での様子

しゅーた:そんなことはないですよ。自分で意思決定をする機会は特になく、流れに身を任せて生きていました。いわゆる「正解」のレールに沿って進むタイプでしたね。

ロペス:でも今は違うよね?何が起こったら、人ってそんなに変わるの?

しゅーた:高校二年生の頃にある人に出会って、衝撃を受けてからです。以前paletteでもインタビューしていた、ろみひ〜さんって方がいるじゃないですか。あの人が主催していたイベント「高校生しゃべり場」に参加したことで、それまでの自分とは180度違う価値観、考え方になりました。

ろみひ〜さんのインタビュー。

ロペス:ああ……ろみひ〜さん。それは衝撃受ける(笑)

しゅーた:でしょ(笑)「高校生しゃべり場」は高校生のやりたいことや将来についておしゃべりする場でした。僕はやりたいことなんて特に無かったし、言ったところでそんな簡単に出来るわけがないだろうと思っていました。でもそこで高校生の「◯◯してみたい!」という想いが、ろみひ〜さんを含めたくさんの大人たちの協力でどんどん形になっていくのを見て思ったんです。「どうせ無理」だとか「出来るわけない」という考えが単なる思い込みで、工夫次第でどうにだって出来るんだと。

ロペス:たしかにね。やりようっていくらでもあるし。

しゅーた:はい。その後もろみひ〜さんに連れられて、学童の行事や地域のイベントなど、様々な活動に参加してみました。たくさんの地域の大人たちと関わっていく中で、色んな生き方があるんだとも気づきました。人の数だけ歩んできた道があるし、誰一人として同じ道なんてない。いい大学へ行って、いい企業に務めるという今まで思っていた「正解」だけが人生じゃないんだと、視野が広がった気がしましたね。

ロペス:なるほど。テンプレート通りの正解だけじゃなく、色んな選択肢が見えるようになったと。そして視野が広がった結果、主体的に動けるようになった。

しゅーた:そうです。自分のやりたいことが何なのかをたくさんの選択肢の中から見つけることが出来ましたし、そのために動けるようにもなりました。僕の人生の中で一番大きな転機だったと思います。

文発(ブンパツ)で見つけた自分の「居場所」

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「wakaba.」のメンバーは、文発でのしゅーたの活躍を見てきた同世代が大半を占める。

ロペス:次にかことん(加古川東高校)の文化部発表会について聞きたいんだけど、しゅーたは代表をやっていたんだっけ?

しゅーた:「文発(ブンパツ)」ですね。はい、生徒会で運営する部署があるんですけど、そこの長をやっていました。元々何かを企画するのは好きだったし、プロデュースするのも好きだったので。

ロペス:出演者ではなくて、裏方……。

しゅーた:そうです。どっちかというと裏方の方が好きですね。出演者や参加者、見に来てくれた人たちにたくさん喜んでもらいたいし、その姿を見ることで自分も嬉しくなります。

ロペス:それって出演者としても出来ることじゃない?ステージのパフォーマンスで観客に感動を与えるって意味では同じだと思うんだけど、しゅーたの中では違うの?

しゅーた:うーん……。何というか、自分に『合わない』んだと思います。僕はカリスマ性に優れているわけじゃないし、人を惹きつけるような魅力があるわけでもないので。それは別の人がやればいいんじゃないかな、と。自分には自分の『やり方』がありますから。カリスマ性の優れた人たちを集めて、表に立ってもらって、自分はそのステージを支える。僕はこのポジションが一番力を発揮できると思うし、好きですね。

ロペス:そっか。そこがしゅーた自身の力を発揮できる居場所、ってことなんやね。

「価値観の大変革(パラダイム・シフト)」を起こす

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メンバーが力を最大限発揮できるよう、一人ひとりの「強み」を考えて役割を任せている。

ロペス:最後に今回立ち上げた「wakaba.」について、ここまでの経緯を教えてもらっていい?

しゅーた:はい。実は「wakaba.」の団体設立より前に、「wakaba.Fes」という野外音楽フェスの企画が立ち上がったんです。若者が地域で活躍している姿をたくさんの人に見てもらいたいと企画したんですが、これだけで終わるのはもったいないなと。活動を継続的に行っていくためにも、しっかりとした運営ができる団体が必要だと考え、設立されたのが「wakaba.」なんです。

ロペス:なるほど。単発のイベントで終わらず、継続して活動していけるよう「wakaba.」が出来上がったのか。

しゅーた:そうです。なので順番としてはイベントが先、団体が後ですね。

ロペス:「wakaba.Fes」を企画しようと思ったのは何で?

しゅーた:若者が活躍できる場をつくりたかったから、です。これまで加古川にそういった環境が無かったので、じゃあ無いなら自分たちでつくってしまおうと企画しました。

ロペス:ああ、もうそういうの大好き(笑)

しゅーた:ありがとうございます(笑)また、若者に対する大人の印象を変えたいなという意図もあります。大学生って「人生の夏休み」って言われるくらい、遊んでいるものだと思われているじゃないですか。そうじゃないんだよ、頑張っている若者だっているんだよ、というメッセージを打ち出しすのも目的の一つですね。

ロペス:上の世代が元々持っていた価値観を変える、「価値観の大変革(パラダイム・シフト)」か。難しいな(笑)

しゅーた:ですよね(笑)でも母校ではそれに成功した経験があるんです。

ロペス:え、そうなの!?

しゅーた:はい。それが先程お話しした「文発」です。加古川東高校って進学校じゃないですか。塾通いの子がいて、たくさん勉強していて、知的でクール。地域からみた母校のイメージはそんな感じだと思います。でもそのイメージを大きく変えた学校行事があって、「文発」と「体育祭」がそう。生徒が主体的に関わって、自分たちでつくりあげるのがこの行事の醍醐味なんです。本気で取り組んでいる姿が地域の人の持つイメージを変えて、「かことんは勉強だけじゃないんだ」って思ってもらえた。そういった経験があるんです。

ロペス:たしかに、地域でも「かことんの学校行事はすごい。生徒の目の輝き様が違う」って話はよく聞くね。

しゅーた:はい。だから僕たちは過去に「価値観の大変革(パラダイム・シフト)」を起こしているし、今回のメンバーならもう一度それが起こせると信じています。もちろんこれからたくさんの困難があるとは思いますが、みんなとならそれを乗り越えられると思っているし、何より楽しみです。

ロペス:自分もそれはめっちゃ楽しみだし、是非起こして欲しい。うちもできる限りのことは協力するので、これからも頑張ってね。応援しています!

しゅーた:ありがとうございます!よろしくお願いします!

撮影協力:SAKASAMA WORKS

インタビューを終えて

冒頭でも書いたとおり、自分は「カリスマ性のある人が人を惹きつける」ものだと、勝手に思っていました。しかし、今回のインタビューを通して、それが一側面でしかなかった事に気付かされました。そんなものが無くても、形にしてきた実績や重ねてきた経験が、自信を生み、信頼をつくり、「引力」になるんだと。
「wakaba.」のメンバーからも

「あの文発をやり切ったしゅーたがやるなら……」

といった声が多く聞かれ、彼の今までの活躍が、いかにメンバーたちに影響を与えたのかをうかがい知ることが出来ました。彼が「これまで」積み上げてきた経験と実績、そして「これから」何か成し得るかもしれないというわくわく感。一見実現が困難に思える「価値観の大変革(パラダイム・シフト)」だって、もしかしたら、やれるかもしれません。

加古川のこれからを明るく彩る若い地域プレイヤー、しゅーた。集った仲間たちと共につくりあげる「若者が活躍できる環境」を楽しみにしています。

メンバー募集

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「wakaba.」では、播磨地域で活動する若者を随時募集しています。

「あんなことをやってみたい!」
「こんなことに挑戦したい!」

そうしたアイデア、想いのある方、是非「wakaba.」で形にしてみませんか?ご興味のある方は以下のメールアドレスまで、是非ご連絡ください。

メールアドレス:wakaba.harima@gmail.com

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こちらから。

この記事を書いた人

ロペス

1992年、奈良県生まれ。少年の心を忘れない26才児。paletteの編集長兼ライター。通称「ロペス」。畿央大学教育学部を卒業後、東京の人材派遣会社に就職。その後小学校教諭、塾講師、認定子ども園保育補助を経て現職。人、モノ、場所の魅力を引き出し、記事として発信するため日々奮闘中。目下の悩みは「終わらない成長期」。ダイエット方法募集中。