【兵庫県・播磨地域】東京行き【Lifetime Blues】

世間が騒がしい。
どうやら年が明けるらしい。

年末に向けて街が加速していく感覚が苦手で、落ち着きを求めて田舎へ帰った。

SNSでは地元の投稿が多くなるこの時期。
新幹線の中でそんな画面を眺めていたら、急に古い仲間に会いたくなった。
思い出話を肴に酒を飲みたくなったのだ。

年末年始を口実に会える人がいる。
私は思い切って、高校の卒業以来会ってない友達に連絡を取って会うことにした。


久しぶりの連絡だったにもかかわらず反応は良く、地元で働いている友人も、就職して遠いところにいる友人も、集まった。
つい昨日まで学校で会話をしていたんじゃないかと錯覚するほど自然な雰囲気で始まったが、私は緊張していて気持ちが先行してしまい、あまり上手く話せなかった。

久しぶりに聞く友人たちの変わらない地元訛りに、泣いてしまいそうだった。

兵庫県 姫路市 淳心 ミュージシャン 三木雄輝 ライティング エッセイ

同じ制服を着て
同じ狭い世界で
青い激動の6年間を過ごした人たち。

私たちは学生生活が終わると突然社会の荒波が立つ大海原へと放たれた。

やっとの思いで泳げるようになり、今では自分の船を持ち、この広い世界を自由に航海しているのだ。

それ故に巡り合ってなかったのかもしれない。

思い返せば卒業式の日、私は友人たちになんて言えばいいのかわからなかった。

感情が限界に達していたあの日。

さよならね
また会おうね

とでも言えば正解だったのか。さよならの仕方なんて、誰からも教わらなかった。
いつもは生活に追われ、忘れてしまっている感情が込み上げてきて、全部酒のせいにした。

年が明けると日常は戻ってきて、青く輝く記憶も感情も、全部薄れていくんだろう。

兵庫県 姫路市 淳心 ミュージシャン 三木雄輝 ライティング エッセイ

このセンチメンタルは東京行き。
雑踏に紛れて、姿を消す運命にある。

会えてよかったよ
また来年。

孤独を咀嚼しつつ、ありふれたさよならを告げた。
上手な別れ方は、いまだによくわからない。

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この記事を書いた人

三木 雄輝

1993年 兵庫県姫路市生まれ。姫路市の淳心学院中高等学校を卒業後、神奈川県川崎市の洗足学園音楽大学に進学。
卒業後、東京を中心にギタリスト・作詞作曲家として活動中。2015年 エマージェンザジャパン ベストギタリスト賞受賞。美しい言葉をギターサウンドに乗せた耽美的なロックを追求。趣味は執筆と写真を撮ること。