ゆるりと愛でる、言葉と文章。【ライティングMeetup@姫路コワーキングスペースmocco】

私は読書家でもなく、文筆家でもなかった。

けれども、言葉や文章がそこに紡ぎだす「空気」が好きだ。

たとえば、キャッチコピー。
マーケティングの一環として生み出されるその言葉たちは、お店や商品を鮮やかに、時にあえて褪せた色に彩る。デザインと組み合わさることでより、私たちの購買意欲をかきたてる──「なんかいいな、好きだな」と思わせる「空気」を紡ぎだす。

たとえば、エッセイ。
出会ったことのない誰かの日常や、出会ったことのある誰かの頭の中。みんな同じ人間なのに、どうしてこうも感じ方や捉え方、言葉の選び方が異なるのだろう、そしてその違いが心地よいのだろう。

言葉や文章を見るのは好きだけれど、読書家でも文筆家でもないし、この想いを誰かと共有する機会はない。
文章を書くことも好きだけれど、周りに「書いている」人がいないし、どうすれば上達するのか分からない。
みんなで文章を愛でる場があったら楽しそうだけれど、なかなか見つからない──それなら、つくってみよう。

私、paletteフォトライター鶴留と、編集長ロペス。楽しいことは自らつくり上げるのが我々の性分だ。こうして立ち上がった企画が“ライティングMeetup”だった。

播磨 palette イベントレポートライティングMeetup コワーキングスペースmocco

イベント会場は姫路のコワーキングスペース「mocco」の会議室。
※(2020年4月~)現在は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、Web会議ツールを利用したオンライン開催を実施中。

moccoのHP

各回の参加人数は、私(鶴留)と兵庫県播磨地域のローカルメディア 「palette」編集長ロペスを含めて計10名ほど。書くことを仕事としている方にも、「文章を書いたことは無いけれど、書いてみたい」という方にも広くご参加いただいている。
ライターはもちろん、一般企業に勤める方や学生からミュージシャンにナレーターまで、職業・年齢・性別もさまざま。ただひとつ共通するのは、「言葉や文章に興味があり、好きであること」だけ。ライティングMeetupへの参加資格は、この想いだけで十分だ。

イベントは前半・後半の2部構成。前半は<好きな言葉や文章を持ち寄り、その良さを紹介しあう時間>、後半は<事前に提示された課題テーマにそって執筆してきた文章を読み、フィードバックしあう時間>となっている。

いずれも「文章を愛でる」というコンセプトは変わらない。そして、どの場面を振り返ってみても、ゆるゆるとしたあたたかい空気が流れているのである。

Meetupとは……?

下記の三つを原則とした、少人数で行われる密なコミュニティ。

  1. 「興味ベース」「問題意識ベース」「課題ベース」で集まる場
  2. ただテーマについて話すのではなく「お互いの顔がわかった状態で話す」場
  3. すべての参加者は平等であり、特定の誰かに利する場ではない

継続的に実施し、お互いの仲を深めつつ、新しい参加者にも門戸が開かれている。それが「Meetup」。

詳しくはこちらから。

コワーキングスペースmoccoでは6月から様々な興味関心や課題意識にもとづいたMeetupを開催し始め、5人〜20人規模の少人数ながら密なコミュニティを形成。継続的な開催を目指しています。

カメラ・写真に興味関心のある人たちが集う「フォトMeetup」。
芝居やナレーション、ラジオを始め、声にまつわることに興味がある人が集う「VoiceMeetup!」。
デザインに興味関心のある人たちが集う「デザインMeetup」。
イベント主催者や飲食店・ギャラリーオーナーなど、自身の持つ場をより良くしていきたいとの想いをもった人たちが集い学び合う「場づくりMeetup」。
地域の若年層と大人との交流の場「いろはMeetup」。
地域の若年層と大人との交流の場「いろはMeetup」。
心理学に興味のある人たちが集まって学び合う「心理学Meetup」。
特撮作品を愛する人が集まり、お互いの好きな作品を紹介し合ったり、実際に自分たちで何かを創り出してみたり、色んな特撮愛に触れる「特撮Meetup」。

「好き」を語り、紹介しあう

播磨 palette イベントレポートライティングMeetup コワーキングスペースmocco

自己紹介をして、まずは前半のスタート。好きな言葉や文章を持ち寄り、その良さを紹介しあう。さながら“好きなものの交換会”。熱を込めて語るその表情は、誰しもきらきらと輝きを放っている。

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好きな言葉や文章について熱く語ったり、持参した本のページをめくったり。
この場に集まるものは「このキャッチコピーがいい」「この歌詞がいい」「この商品名がいい」など、企画時に思っていたよりもバラエティ豊かだった。それぞれの仕事や普段の活動と関わりが深いものが多いのかと思いきや、意外なものを持ってきてくださる方が多い印象だ。

ただ、その端々に普段の活動や考え方のルーツがちらりと見え隠れしていて、とても興味深い。
他の参加者が紹介したものを検索したり、メモしたり。あるときは、紹介された本をその場でネット購入した方も。その後「あの本読んだよ!」とSNSに感想を書き込んでいるのを見かけ、行動のはやさと熱量の高さに主催の私たちが驚かされた。

真剣に耳を傾け、時に「ああ、それいい!」と相づちを打ちながら、なごやかに進行していく。「ああ、この人っぽいな」と納得することも、「こういう文章が好きなんだ!」と驚くこともあって面白い。大げさかもしれないが、ほんの少しだけ他人の頭の中を覗いた気分になれるのだ。

「好き」を語り、紹介しあう前半の時間。純粋に「自分の好きな文章を、たくさんの人が好きになってもらえたら素敵だな」と思える、ゆるやかに熱の高まる時間だ。きっと参加者のみなさんも、同じ思いをもって集まってくれているのだろう。

書いて、読みあい、楽しむ場

やはり好きなものを語るときには、どうしても熱が入る。「時間が許すならばもう少し語り合いたい……」という余韻を残しつつ、後半の企画へと移る。

後半では、あらかじめ提示されたテーマに沿って各々が執筆してきた文章を、少人数のグループに分かれて共有し、フィードバックしあう。

播磨 palette イベントレポートライティングMeetup コワーキングスペースmocco
播磨 palette イベントレポートライティングMeetup コワーキングスペースmocco
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自分が書いた文章を誰かに読まれるという体験は、仕事でもない限りそうそう生まれるものではない。初参加の方からは「読まれるの恥ずかしい!」「緊張する……」という声をよく聞く。

しかし、ここがライティングMeetupという場のいいところ。文章を「評価する場」ではなく「楽しむ場」なのである。ありがたいことに、このことは参加者の口からも語られている。

テーマは「“好き”を紹介する」「声に出して読まれたい文章」「出だしと終わりの一文が決まっている文章」といった文章の形態を指定するものから、「コンプレックス」「小さい頃の宝物」「秋の食べもの:サンマ」といった何かひとつのモノがテーマになることもあり、さまざまだ。
文章の形式は基本的に問わず(テーマによっては指定することもある)、小説・報道記事・エッセイ・コラム・俳句・詩等々、書き手の自由。普段書いているものに寄せてもいいし、書いてみたいものに挑戦するのもいい。

この企画を始めた当初は、「強制ではないとは言え、毎回課題があるなんて参加者の負担にならないだろうか……」と心配していた。

しかし、それはどうやら杞憂であったようだ。今では、参加者のみなさんが「Meetupの課題、何書こうかな」とSNSで楽しげに呟いているシーンをよく見るようになった。

持ち寄られた文章を読むと、テーマは全く同じでも書き手によって出てくる表現がまったく違う。好きな言葉や文章が異なるように、表し方も異なるのだ。当然のことだけれど、それぞれに今までの経験や触れてきた文章の違いがあるのだといつも実感する。

この時間を最も楽しんでいるのは、主催である私だと言っても過言ではないだろう。「全員が同じテーマで自由に文章をつくる」という経験は、そう多く得られるものではない。この経験は今後、文章の読み方や生み出し方にほんの少しの変化をもたらすのではないだろうか。

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言葉や文章の愛で方は、人それぞれだ。もしかしたらそこには、その人の人生までも表れているのかもしれない。多種多様な愛で方に触れて、自分の視界がちょっとだけ広がるような。ライティングMeetupはこれからもきっと、そんな場所になっていくはずだ。

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ライティングMeetup参加者の執筆課題記事

ライティングMeetupにご参加いただいた皆様の課題執筆記事の一部を以下にご紹介。毎回共通のテーマを設定し執筆いただいているが、同じテーマでも人によって全く違う文章ができあがるのが面白い。

書き出しと締めの文を与えられ、文章を執筆した回。二次創作は初めての切り口だった。
はるばる奈良県からお越しいただいているやまとくんの記事。テーマは「月」。
大阪からの参加者、けんずさんはnoteに自身の執筆記事を掲載。
福井県から遥々参加してくれることもあったまるちゃん。推しへの愛が溢れる一記事。

ライティングMeetup参加者の声

ライティングMeetup参加者のイベントレポート

月に1度、どなたもゆるりと

今後も企画や進行を見直し、さらにゆったりのんびりと文章を愛でられるよう進化していきます。開催は月に1度を予定しており、どなたでも参加しやすいような空気づくりを心がけています。

読書家のあなたも、そうでないあなたも。何も書いたことがない、書くことが苦手だというあなたも。
月に1度、ゆるりと文章を愛でてみませんか。ご参加をお待ちしております。

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こちらから。

この記事を書いた人

鶴留 彩花

1991年、兵庫県生まれ奈良県育ち。関西大学卒。しがない事務職会社員。「日常の端っこ」をひとつのテーマとして、写真を撮ったり文章を書いたりするのが好き。楽しそうなこと・面白そうなことには、持ち前の行動力で首を突っ込んでいくタイプ。いろんなお誘い(特に写真と文章に関すること)大歓迎です、お待ちしています。編集長ロペスとは中学時代からの腐れ縁。