【兵庫県・播磨地域】奈良から加古川へ【編集長コラム】

5時間。
1日の活動時間のほぼ半分。

5月に今の会社に入社して、奈良から加古川まで通っていた往復の時間だ。

それはもう大変だった。
見ず知らずの土地に密着しての仕事。
とにかく通いに通って地理を頭に叩き込み、イベントに参加して顔を覚えてもらい、つながりをつくっていく。
口で言うほど簡単なことではなかった。
何度JR大阪で引き返そうと思ったか。
9時に出社するためには6時半に家をでなければ間に合わない。
帰りも地域イベントに出て帰るとなれば、あっという間に終電の時間になる。

この生活を4ヶ月ほど続けた。
交通費は馬鹿にならない額で、1ヶ月フルで出勤すると往復で7万円かかる。
とんでもない値段だ。
7万払えばこのあたりだとそこそこの家を借りられる。
幸い9月に東加古川に引っ越して、だいぶ楽になったものの、この4ヶ月は本当に「仕事は電車で通勤することです!」と言っても過言ではないくらい電車に揺られる時間が長かった。
5時間あれば簡単なコラムなら二本書ける。
実際に往復の時間で一本取材記事を書いたこともあるくらい。

それくらい仕事にかける想いが強いのかと言われると、最初はそうでもなかった。
そもそも自分は教育の道に進みたくてこの会社に入っている。
諸々の事情があって、現在「まちづくり」という地域活動の領域で仕事をすることになったが、そこは今まで全く興味も関心もない分野だった。

地域の清掃活動は

「行政が税金でやる仕事だろ。何で俺達市民が無償でやらなきゃいけないんだ。」

と思って参加してなかったし、地元のマラソンや祭りのボランティアも

「ボランティアに頼まなきゃ回らないような運営しているならやめちまえ。善意につけこんで金ケチってんじゃねえ。」

と思っていた。

地域のボランティアは、時間的にも経済的にも余裕のある富裕層の専業主婦か高齢者がやるもの。
少なくとも、平日フルタイムで働いて年収300万に届くか届かないかってレベルの昨今の20代サラリーマンがやるなんて考えられなかった。
平日朝早くから夜遅くまで働いて帰って寝るだけの生活。
せめて時間のある土日は趣味に費やそうと思っても、体力が限界で布団の上で終わってしまう。
「休日を寝て過ごさないためにも、頑張って趣味の時間をつくって楽しめること」を目標にしている同期だっているくらいだ。
そんな状態で休日の時間を地域ボランティアに割くか?
出来るわけがない。

そんな考えだったために、「まちづくり」は若者とは無縁のもので自分は一切関係ないものだと思っていた。

だがしかし。
何の因果か「まちづくり」をやることになった。
正直何をしたらいいのかわからない。
わからないからまず勉強した。
まちづくり雑誌『ソトコト』を読み、社会学系の論文に目を通し、まちづくりセミナーにも参加してみた。
それでもわからない。
会社からはライターの仕事をふられる。
やったことがない。
何からどう手をつけていいか全くわからない。
とりあえずやってみる。
会う人会う人に声をかけ、インタビューさせて下さいと頭を下げ、聞いた話をひたすら文字に起こすためにパソコンとにらめっこ。
そんな一日一日を重ねていく中、気がついたらカレンダーの暦は10月になっていた。

そこには、驚いたことにこの仕事を好きになっている自分がいた。
人の話を聞いているのがとても楽しい。
これまでの人生経験、それによって培われた価値観や考え方、今の仕事にかける想い。
そういった話を聞くことが本当に楽しい。
人の数だけ物語があり、その物語を聞いているのが自分は好きなんだなと気付いた。

インタビューをする中で、不思議な事にその人を知れば知るだけ好きになる。
応援したくなる。
皮肉屋で意識低い系の自分だが、目をキラキラさせながら話している人の姿を見て何も感じないほど人間腐ってはいない。
誰かの素敵を引き出し発信することで、それを読んだ人がその人の魅力に気付いていく。
悪くない仕事だと思う。
当然まだそのレベルにまで達してはいないが、目指す対象として十分な魅力がある。

まちづくりをやっている人間としてどうかと思うが、正直まだ「加古川が好きか?」と問われるとわからない。
でも仕事をする中で「あ、この人好きだな」と思う人が一人二人と増えてきた。
好きな人がたくさんいて、その人たちを応援することが仕事。
頑張る理由として、自分はこれ以上何も必要だとは思わない。

好きな人の為に頑張る。

シンプルだが現状はこの動機で走り抜けそうなので、当面は身の回りの人のためにできることを増やし、貢献していけるよう邁進したいと思う。

Follow me !!

お仕事(インタビュー・取材など)の相談は
こちらから。

この記事を書いた人

ロペス

1992年、奈良県生まれ。少年の心を忘れない26才児。paletteの編集長兼ライター。通称「ロペス」。畿央大学教育学部を卒業後、東京の人材派遣会社に就職。その後小学校教諭、塾講師、認定子ども園保育補助を経て現職。人、モノ、場所の魅力を引き出し、記事として発信するため日々奮闘中。目下の悩みは「終わらない成長期」。ダイエット方法募集中。