【兵庫県・播磨地域】元教育者が、ライターとして「何」を書くのか【編集長コラム】

新年明けましておめでとうございます。
播磨の魅力を発信するメディア「palette」のライターのロペスです。

ここ最近、ある悩みに苦しめられていました。それは「コラムが思ったように書けない」ということ。題材があれば書けるんです。でも自分の気持ちが全く書けなくなってしまった。

仕事のやり過ぎで余裕がなくなったのか。
お手本の記事を意識しすぎて、書くべきことにとらわれて書きたいことが書けなくなったのか。
それとも単純に書く能力が落ちたのか。

いろいろ考えてはみたものの、結局原因は見つからず、新年の初仕事を迎えました。当然仕事である以上、「書きたい時に書ければいい」なんて甘い話はありません。手が動かなくなり筆が進まないなら、足を動かして営業に出る。

ということで、今日はひたすら地域のお店に営業へ。そこで出会った方から聴いた「俺はただ商品を売ってるだけじゃないんだ」という言葉が、自分の心にグサッと刺さりました。刺し傷から流れ出てきたのは、見失っていた大事な気持ち。

加古川ライター、ロペスのライターコラム。今回は営業先で取り戻した、「仕事を通して社会にどういった影響を与えたいのか」という大切な視点についてです。

​何のためにやっているのか

ライターをやり始めて半年。とにかく文章を学び、書いて、書いて、書きまくりました。一本一本本気で取り組んで来ましたし、もちろん手は一切抜いていません。

書き始めた当初、自分の中にあったのは「人の話を聴いて、文字に起こして発信するのって楽しい!」という単純な理由。昔から人の思想や哲学、人生観といったものを聴くのが大好きでしたし、書くことも全然苦になりませんでした。

しかし記事執筆に追われる中で、次第に「何で自分はこんな必死に書いているんだろう?」という疑問にぶつかりました。この仕事を通して自分は一体何がしたいのか。日々の仕事の中で、その視点がすっぽり自分の中から抜け落ちている。

そう感じてからは言葉に自分の気持ちが「乗っからない」。

コラム記事が、全く書けなくなってしまったんです。何を書いても、借り物の言葉で着飾ったハリボテで、自分の気持ちじゃないように感じる。そんな煮え切らない気持ちを抱えたまま執筆をすることは難しく、新年の仕事初日は営業へ行くことに。今回の営業で挨拶させていただいた中で、ある方の仕事に対する向き合い方が自分の中にあった熱い気持ちを呼び起こしてくれました。​

仕事の哲学

「ただ商品を売っているんじゃない。それを通してカルチャーを届けたい。」

この言葉をくれたのは、「Factory No.079」のオーナーである岩本卓也さん。

「うちはスーパーマーケットじゃない。ただ商品を売ればそれでいいのかというと、そうじゃない。」

そう語る岩本さんは、この加古川で「ホンモノ」のストリートカルチャーを届けるために、8年間お店を続けてこられたそうです。

若い頃から買い付けのために、何度もストリートカルチャーの本場であるNYへ。現地の持つ「空気」を五感で感じてこそ届けられるものがあるというのが岩本さんの信条。届け方はあくまで一つの文化としての提示で、押し付けや強要はしない。

岩本さんの仕事には、思想があり、熱量があり、哲学がありました。

それに対し自分は今、「この仕事を、何のためにやっているのか」この問いに応えられるのだろうか。岩本さんのように、強い思いで成し得たいことがあるのだろうか。
否。
その問いかけすら、自分自身にしてこなかったのかもしれない。

お忙しい中、長い時間を割いてくださった岩本さんにお礼を言って、「Factory No.079」を後にして、カフェで一人、本気でこの問いに向き合ってみることにしました。

​教員時代に見ていた「社会」

問いについて考えた際、思い出したのが教員をしていたときのこと。教員時代、仲間同士で話していた話題があります。俗にいう「ブラック企業」について。

当時はどこもかしこも、誰に話を聞いても「しんどいのが当たり前」「給料は我慢料」と言われていました。通勤電車に乗る大人たちの顔は暗く、笑っているのはビジネス雑誌に乗っている役員級の人間か、入社したての新卒インタビューを受けて舞い上がっている若者くらい。大部分のサラリーマンはお世辞にも幸せそうとは言えませんでした。そんな大人たちが「頑張って勉強すれば幸せになれる」と、どの口でこれから育つ世代に言うのかと思っていたのを覚えています。

まるで消耗品であるかのように、ボロ雑巾になるまで働かされる社会。
自分たち教育者は、そんなところに子どもたちを送り出すのが仕事なのか。

いや、違う。
それは絶対に違う。
俺達はそんなことのために、日夜「どうすればもっとこの子が成長するだろうか」と考え、仕事に取り組んでるわけじゃない。

昔はよくそういった議論を交わしていました。昨今教員の評価は下がるばかりですが、自分の周りに限っては、限られた環境の中で頭に汗をかき、心を燃やしながら働くような、そんな仲間たちが多くいました。

その時

「自分たち大人が幸せになること、そしてその背中を見せることが、子どもにとって一番いい教育かもしれないよな」

と、友人の一人がぽつりとこぼしたこの言葉。

大人って楽しいんだよ。
君たちがこれから歩んでいく道は、素敵なものなんだよ。

そういったメッセージを、嘘偽りなく、下の世代に伝えていくことが大事なのではないかと、友人は熱弁していました。当時はあまりピンと来ていませんでしたが、問いと向き合うにあたって、この言葉が自分に大きな力を与えてくれました。

​幸せな「大人の背中」を見せること

自分はライターとして、記事をを通して社会にどういった影響を与えていきたいのか。そう考えた時、自分の仕事を振り返ってみると、どれも「魅力的な大人」をインタビューしていました。
ろみひ〜さんや西嶋さんといった、地域で哲学を持って働いている大人たち。

そういった人たちの背中を見せる、あるいは残していくところに自分の仕事の価値があるんじゃないか。

自分は「元教育者」として、地域で活躍している大人たちの生き方を、記事として次世代に語り継いでいこう。それが今の自分にできる、考え得る中で最大限のことなのではないかと思います。

まだまだ未熟ではありますが、元教育者として「次世代語り継いでいきたい播磨の魅力を伝える」ことを目標に、この先仕事に向き合い直します。

今年も播磨の魅力を発信するメディア「palette」は、地域の魅力を発掘し、皆さんにお伝えしていけるよう邁進してまいります。

これからも、変わらぬ付き合いをよろしくお願いいたします。

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この記事を書いた人

ロペス

1992年、奈良県生まれ。少年の心を忘れない26才児。paletteの編集長兼ライター。通称「ロペス」。畿央大学教育学部を卒業後、東京の人材派遣会社に就職。その後小学校教諭、塾講師、認定子ども園保育補助を経て現職。人、モノ、場所の魅力を引き出し、記事として発信するため日々奮闘中。目下の悩みは「終わらない成長期」。ダイエット方法募集中。